三国志 魏書 東夷伝 倭人条、通称「魏志倭人伝」に記載された、倭国内の31ヶ国について、比定を行った。
その結果、狗邪韓国から邪馬台国まで道程の9ヶ国以外の国についても、魏志倭人伝に記載されている順序通りで、地域ごとにグループ分けされており、記載順がランダムではないことが分かった。
記載順は、以下の通り
斯馬國、已百支國、伊邪國、都支國、彌奴國、 好古都國、不呼國、姐奴國、對蘇國、蘇奴國、 呼邑國、華奴蘇奴國、鬼國、爲吾國、鬼奴國、 邪馬國、躬臣國、巴利國、支惟國、烏奴國、奴國。
左の図で地域ごとに色分けしてみた。

0) 白色 邪馬台国までの経路

1）赤色 紀伊半島東岸から南部：斯馬國（志摩市）、已百支國（尾鷲市南部）、伊邪國（紀伊半島南部）

2）黄色 岐阜県内東から西：都支國（土岐市）、彌奴國（岐阜市）、好古都國、不呼國および姐奴國（岐阜県西部）

3）緑色 四国東部を時計回り：對蘇國（高知県）、蘇奴國（香川県）、呼邑國及び華奴蘇奴國（徳島県南部）

4）青緑色 紀伊半島西海岸から大阪湾、京都府南部を南から北：鬼國（和歌山市）、爲吾國（大阪府羽曳野市）、鬼奴國（木津川市）、邪馬國（京都市山科区）、躬臣國（京都府向日市）

5）青色 中国地方瀬戸内海沿岸を東から西：巴利國（兵庫県西部）、支惟國（岡山市）、烏奴國（福山市）、奴國（広島市）

6）女王国に属さない国：狗奴國（三重県北部、愛知県西部）

このことから、国々が存在しない地域が、狗奴國と連携してきた可能性が出て来た。
つまり、伊勢湾沿岸以東の太平洋沿岸、兵庫県東部、淡路島、徳島県北部、愛媛県、大分県と熊本県以南の地域である。

続きのページにて、詳しい比定を行い、また、倭人と思われる人名や官名についても比定を行う。
その際、魏志倭人伝記載の国名は、2世紀から3世紀の中国語上古音をベースに考察し、それを、日本語の上代特殊仮名遣いに対応させた。カタカナの後ろに甲、乙などと書かれているのは、上代における八母音に対応している。魏志倭人伝の国名表記には、韻部が摸韻の文字が多い（奴、模、都、呼、古など）。これらは、ア段、あるいはオ甲段の何れかと考え、推定を行った。

当タイトルは、画像もふくめて、多くをWikipedia の当該ページから引用している。
また、地図は、GoogleMapの地形図から作成した。